時差

日曜は通し稽古2日目。

僕はじっと稽古を見るだけ。コーヒーを飲み、差し入れのお菓子を食べ、昼の休憩になると弁当が出て、午後の稽古が始まるとまたコーヒーを飲み、お菓子を食べ、お茶を飲み、フリスクを食べ、稽古が終わって、撮影用のおにぎりがたくさんあるので、それを夜ご飯に。

まるでご飯を食べに来たようなものだけど、この段階で僕の仕事がないということは、喜ばしいことだ。
今の自分には信じられないが、1~2ヶ月前の僕は、何かいろんなものをダメにして、必至にシナリオを書いていた。

書き終えて、僕の熱量が下がると、今度はスタッフやキャストの熱量がグングン上がっていく。
この2つの熱量が、同時にピークになることは、まあ、ない。必ず時差があるわけで、それはいかんともしがたい。

いや、僕の熱量はすべてシナリオに込められているわけだから、もしかしたら時差などなく、いつも誰かの手元で熱を放っているのかも、なんて思ったり思わなかったり思ったり。


夜、久しぶりに映画を見に行く。「クライマーズ・ハイ」。
暑い夏の、熱いブンヤの話。

見終わって、新聞記者はブンヤ、映画はシャシンヤ、じゃあテレビの人はなんて言われているのだろうと、ふと思う。