追悼。僕の好きだった作家4

永遠と一日 Blu-ray

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受け入れがたい死というのがあるなら、テオ・アンゲロプロスがそうだ。
映画撮影中の交通事故で、現代最高の映像作家を失っていいのだろうか。

テオ・アンゲロプロスの作品はどれも素晴らしい。
初めて観たのは、カンヌ映画祭パルムドールの『永遠と一日』。

ギリシャでは「泣く子にはアンゲロ映画を見せろ」という格言があるらしいが(本当なのだろうか?)、僕は全然、眠くならなかった。それどころか目が覚めた。あの美しいバスの中のシーンに勝る映画が他にあるのだろうか?

僕はその日からテオ・アンゲロプロス病にかかってしまった。
かつてブログの中で、やや興奮気味に書いてしまったそのおかしな病については、ここではリンクを張ることしかしない→テオ・アンゲロプロス病

映画というものが素晴らしいのは、作品が残り続けることにある。
僕たちはテオ・アンゲロプロスが残した作品を、ただ見続けることしかできない。

私は今夜 向こうへ渡る
言葉で君をここに――連れ戻す


ありがとう。さようなら。