日本マンガの問題点
- 作者: 橘賢一,貴家悠
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/19
- メディア: コミック
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すごく面白いマンガなのだけど、1巻と2巻の差にあぜんとする。
1巻までの内容は隔月の「ミラクルジャンプ」に掲載され、以降、週刊の「ヤングジャンプ」に移行した。
だから1巻の内容は詰め込み過ぎとも思われるほどの密度で、読者が内容を必死に追い、作者の描く世界にすがりつく。それくらいしてもいい内容。
だけど2巻以降は週刊化のせいで、1話ずつの密度は薄れ、進行は遅延し、先へ延ばすことへの努力などが見えてしまって、すごく残念。
僕はマンガをあまり読まないけれど、たまに読むとそういう、悪い意味での日本マンガらしさが気になる。
日本のマンガの悪い点として、週刊のマンガ雑誌で発表しなければならず(月刊や隔月の雑誌もあるけれど)、そのせいで1話ずつが全力でなくなってしっている。そういう風に描いてしまうと長く持たなくなってしまうからだろう。
だったら、何話までと最初に決めて、描いていけばいいのだけど、とにかく巻を重ねようとするので、終わりが見えないままダラダラと進んでいる印象だ。
僕は浦沢直樹は大天才だと思うけど、『20世紀少年』も『モンスター』も途中で読むのをやめた。あんなに面白いのにダラダラ続けてしまっていたからだ。
海外マンガなどは、そういういつまでも長く続ける例というのは少ない。月刊で小冊子が発売され、最終的にだいたい単行本1冊にまとまるように作られている。長くても数冊だと思う。だからこそ密度の濃い内容で描き切れている。
なにも日本より海外の方が優れているというわけではなく、日本マンガのカット割りは世界一だし、これだけの作品がこの頻度で毎週販売され続けている文化は本当にすごい。
だからこそ、そればかりにならず、『テラフォーマーズ』のように当たったからといって密度を薄めず、傑作を世に出していってほしいなあ。