最終回

土曜日、教文でのシナリオワークショップは最終回。

前日19時が締切で、直接教文に持って来た人、メールで送った人など、合計11作品が集まる。以下タイトルだけ……


アルベの丘
The Spiral Spot
あしたあなたあいたい
here & now 夏の一瞬の出会い
ビア!ビア!ビア!
深緑色の毛糸
お休みします
まばたき
上の空
見学者
神様の小僧


僕は土曜の昼過ぎから、今回だけのアシスタントの読子女史とシナリオを読む。僕は読むのが遅く、えっちらおっちら読んで、コンテストの選考はギリギリまで悩む。

タクシーで教文まで行き(920円)、17時から参加者がシナリオを読む。今回のコンテストは、ワークショップ参加者による投票で特別賞を決め、僕の選考でグランプリ、準グランプリを選ぶ。

参加者投票の結果は、3票ずつ得た、「深緑色の毛糸」「上の空」の2作品が特別賞に選ばれた。

グランプリは、僕の責任において、「お休みします」「見学者」の2作品に。準グランプリは該当作無しとした。

参加者投票と僕の選考がまったく違うものとなり、多くの人が受賞できたことはいいことだけど、シナリオの読み方、評価の仕方のズレがあったのは……ま、仕方ないか。僕は僕で責任を持って選んだんで。

そういうわけでこの夏の教文ワークショップはこれにて終了……と思いきや、えーとまずは打ち上げへ。毎回、ワークショップのあと交流会をやったけど、今回がやはり一番盛り上がる。開放感ってのはこういうものか。

23時45分くらいからお開き的雰囲気になったのだが、受賞者の喜びのコメントなどで日が暮れる。いや、もうとっくに暮れていたのだが、とにかく終電を逃す。

店を出てダラダラ歩く過程で、パラパラと人も減り、6人ほどが残る。まんじりともしないこの雰囲気と、得体の知れない流れでもって、ガストで2次会。なぜガストなのかは、想像におまかせするより他にない。

そうして混沌の第2ステージはコーヒーと共にはじまり、コーヒーと共に2時で終了。僕も眠いが明日8時から仕事さんの人もいて、それは可哀想じゃないか。

もろもろお別れの儀式が行われ、まずは4人と別れ、僕と読子女史とで土曜深夜のススキノを外れから中心部そして外れへと横断する。僕は事務所へ戻り、読子女史はタクシーに乗り、暑くて短いシナリオワークショップはこうして幕を閉じる。


エピローグ。

ところがこの事務所に引っ越して1年以上たつというのに、僕は初お泊まり。ずっと避けてきたんだけど、まさかこのタイミングでとは思わなかった。

やってみて気づくことはたくさんある。寝てみてわかったことは、まずこの事務所は凄く怖い。元小学校というだけあって、真っ暗になった時のプレッシャーは並じゃない。元研修施設のICCで鍛えてきた僕のハガネの心は案外もろかったです。

あとそれからうるさい。ススキノうるさい。酒飲んで1時間以上、道でしゃべんない方がいいと思う。早くみんな家に帰ろう。その他、真夜中に響き渡るうるさい音のクラクションは何に対しての警告なのかとか、いろいろある。

全然寝られなくて、ウトウトと朝を迎える。誰もいない事務所を出て、午前中の街中を歩く。何かが終わったあとは、自分はとても自由だと思ってしまう。その自由があまりにも大きく感じられるので、時としてそれは全能感と錯覚してしまうこともある。

今回もやはりそれに近く、うろうろと歩き、サンドイッチとコーヒーを持って、青空の下食べる僕はまるで新しい自分になったような気にもなる。果たして。

今回のワークショップはけっこう好評のようだったので、教文フェス事務局へもその声は届いているよう……かな?届けてほしい。あと別口からワークショップの新たな依頼らしき動きもあり、ドミノは一つずつ倒れているようだ。

来年ワークショップがまたあるかどうかはわからないが、依頼が来ても、やりたいんだけど泣く泣く断らなきゃならないほど忙しくなっていたいと、今はそういう倒錯した目標を立ててます。

エンドロール。