rehabilitation

2週間に一度、中央図書館に通っている。
本の貸出期間が2週間。借りて返して、返して借りて。その繰り返しでもう、1年くらいか。

黒澤明全集、小津安二郎倉本聰ハロルド・ピンターなど、高くて買えない、本屋にもない、そういった本を借りてきた。

で、今日はその日。

メーテルリンク全集4と、サム・シェパードの戯曲集、それとアメリカ短編推理小説傑作選1~3を借りた。

どれも本屋にはなく、メーテルリンク全集に至っては大正時代の本の復刻版で1冊1万5千円くらいなので、こういう本をタダで借りられる、図書館ってのは宝島。

ちなみに、メーテルリンク全集4で読みたかったのは「群盲」という戯曲。

神父が運営する盲人たちの保養所があって、そこの病人(盲人と狂人)が、どうやら毎日(?)、神父に連れられて、島を散歩していたのだが、その日、神父は盲人たちを連れてきたあと、突然、病気か何か死んでしまう。残されたままとなった目の見えない人達は、ひたすら、神父が迎えにくるのを待っているのだが、神父は盲人たちのすぐ近くで死んでいる。だけど、誰もそのことに気づかず、不安と恐れの中で夜を迎え……というところから舞台が始まるという、かなり”くる”シチュエーション。

メーテルリンクは「青い鳥」で有名な作家。「群盲」の話を噂に聞き読んでみたが、不条理を予想していたが、やっぱり昔の人、そこはキリスト教的な内容でややガッカリ。つまり神父が死んだあと人々は盲目だと。で、神とどう向き合うか、探すか、みたいな。

「群盲」の設定だけもらって、宗教的なところを切り落として、不条理っぽくしたらいけるんじゃないかと思った今日の収穫。