オースター的偶然

某日。事務所にK藤君が来る。先月の舞台に出演した役者だ。舞台の話をすると、どこか遠慮した口調、コミュニケーションの問題を口にする。彼がいま受けているシナリオワークショップの話題などをして、彼は映画「スカイ・クロラ」を見に行くと言っていなくなる。数時間後、「スカイ・クロラ」の感想がメールで来る。評価は高くない。

その日の夜、僕は映画館に「ハプニング」を見に行く。入場まで時間があったので、長いすに座っていたら、S藤Y衣嬢が声をかけてくる。偶然、映画を見に来たとのこと。彼女も先月の舞台に出ていたので、やはりその話題になると、先ほどのK藤君と同じように、どこか遠慮した口調、コミュニケーションの問題を口にする。なんかおんなじこと言ってるなと思って、これから何の映画を見るのか聞くと、彼女は「スカイ・クロラ」と答える。


話変わって――

今日、「桃山おにぎり店」の撮影見学に行く。暑い中、スタッフ、キャストとも真剣。いいドラマができそうな気配。ウロウロしていたら邪魔なので、休憩スペースにいたらケータリングのカレーをご馳走になる。そこで、とあるスタッフさんと話していたら、年齢を聞かれて、僕は30と答えると、もしかしてヘビ年?と聞かれる。そうですよと言うと、俺もなんだよ、と言われ、一回り上だということがわかる。

夜、ラジオのスタッフ、キャストさんたちと、大通り10丁目でビアガーテン(STVスペースです)。ワイワイやっていたら、隣の席のキャストさんに年を聞かれ、30と答える。もしかしてヘビ年?と聞かれ、そうですと答えると、やはりそのキャストさんもヘビ年で、一回り上ということがわかる。

日常にひそむ奇妙な偶然。もうちょっとウェットな感じになると、人はこれをオースター的偶然と呼ぶのかな?