すべての母に向けて
- 作者: 岡野雄一
- 出版社/メーカー: 西日本新聞社
- 発売日: 2012/07/07
- メディア: 単行本
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映画かも決定したマンガ「ペコロスの母に会いに行く」を読む。
痴呆症になった母と、禿頭の編集者(息子)の、日々と過去と。
ユーモラスだけどどこか悲しい。
すべての人には母がいて、すべての人が老いていき、多くの人がボケていく。
だけど自分のハゲを笑いにし、わりと際どいところまでサクッと描くこのマンガは、いいなあ。特に、長崎という舞台がすごく生きている。
原爆で娘を失った母が、今もあの日のように娘を背負ったままでいるという描写に、戦争の悲劇を思う。
みつえさんの背中には、お孫さんがいるとばかり思っていました
いえ、母の背中にいるのは私の姉です
8月9日に母の背でなくなった姉のヒロコです遠い年月を経て 神様がやっと――
母に姉を帰してくれたのだと思います
永遠に8月9にたどりつかない時間の中で…