追悼。僕の好きだった作家2
供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
- 作者: アントニオタブッキ,Antonio Tabucchi,須賀敦子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2000/08/01
- メディア: 新書
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タブッキ作品の名翻訳家、須賀敦子さんも今はもうない。
とにかく僕にとってタブッキといえば『供述によるとペレイラは』だ。
軍事政権下のポルトガル、その暑さと軍国主義の狂乱と、一人の男の生と死と。
ほんとうに何度も読んだ。生涯に読み返した本のベスト5に入る。オースターの『幽霊たち』や安部公房『壁』に匹敵する。
妻の写真を書棚から出した。君を連れて行こう、ペレイラは話しかけた。きみが来てくれた方が、いい。息が楽なように、顔をうえにして、写真をかばんに入れた。
ありがとう。さようなら。