『わが星』(岸田戯曲賞を読む5)
- 作者: 柴幸男
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
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さて柴幸男『わが星』は第54回の受賞作。
劇団「ままごと」主宰で、やはり平田オリザ「青年団」関連の人。演出部所属だそう。
全編、時報が鳴り続けてリズムを刻み、役者の台詞も極めて短く断片的で、次から次へと橋渡ししていく。
宇宙レベルの巨視的視点と、ある家族の微視的視点の融合。
2つを同時に描くことで世界と自分を描くという。
難点を言えば微視的家族に特徴がなく、読み終えた後によく覚えていない。劇構造の面白さの方が優先しすぎて、肝心の物語が薄くなってしまった印象。
それでも「新しい」ということは素晴らしいことで、それを鮮やかに提示している。
ちなみに戯曲を読んでいて、いったい結局、どんな舞台になるんだろう? と思ってしまうのだけど、探してみたら映像があった。
↓
http://www.ustream.tv/recorded/15179360