『わが星』(岸田戯曲賞を読む5)

わが星

わが星

今日は第57回岸田國士戯曲賞の発表。

さて柴幸男『わが星』は第54回の受賞作。
劇団「ままごと」主宰で、やはり平田オリザ青年団」関連の人。演出部所属だそう。

全編、時報が鳴り続けてリズムを刻み、役者の台詞も極めて短く断片的で、次から次へと橋渡ししていく。

宇宙レベルの巨視的視点と、ある家族の微視的視点の融合。
2つを同時に描くことで世界と自分を描くという。

難点を言えば微視的家族に特徴がなく、読み終えた後によく覚えていない。劇構造の面白さの方が優先しすぎて、肝心の物語が薄くなってしまった印象。

それでも「新しい」ということは素晴らしいことで、それを鮮やかに提示している。

ちなみに戯曲を読んでいて、いったい結局、どんな舞台になるんだろう? と思ってしまうのだけど、探してみたら映像があった。

http://www.ustream.tv/recorded/15179360