『まほろば』(岸田戯曲賞を読む7)
- 作者: 蓬莱竜太
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
劇団「モダンスイマーズ」の作演出、蓬莱竜太の作品。
舞台版の『世界の中心で、愛をさけぶ』『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の脚本を書き、映画『ガチ☆ボーイ』もこの人の舞台が原作。
『まほろば』は出産をめぐる話で女性しか出てこない。
様々な年代の女性を上手く書き分け、女と出産というテーマをまとめる鮮やかな物語。
なんというかすごく上手い書き手で、物語も良くできている。
ただ岸田戯曲賞唯一の女性審査員である永井愛さんの選評を読むと、
一見上手いと思われたこの戯曲にこんなにも傷があるのかと感想が変わってしまう。
岸田戯曲賞の魅力は、受賞した戯曲はもちろん、こういう批評の良さにもあると思う。