『生きてるものはいないのか』(岸田戯曲賞を読む8)
- 作者: 前田司郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
第52回岸田國士戯曲賞、受賞作。
前田司郎が主宰する「五反田団」は一時期、平田オリザ「青年団」と合併していた。ここでもやはり、岸田戯曲賞の背後に平田オリザの影が。
さて『生きてるものはいないのか』。
続々と死んでいく登場人物。原因は謎の病気? 米軍? よくわからないけど、とにかくみんな死んでいく。
そこに意味があるとかないとか、そういうことでもなく、
まあ、死んでいく。
読み手が勝手に意味をつけようとするのが、不条理劇なのかもしれない。
何か見つかれば、満足するのだろうか?
ひたすら死んでいく中での、数々のユーモア、台詞の妙。
とにかく何度も笑った。
そこに死の重みはない。
軽やかな戯曲。
すごい。