ミステリーを読む楽しさ

有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー (角川文庫)

有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー (角川文庫)

ハードな読書をしたあとに、箸休めで読書をする。筋トレのあとのストレッチみたいなものだろうか。

そういう時にミステリーはやっぱり最適。

「ミステリーの良いところは、そのムダの無さだとクィンは思う。意味の無い文や単語は一つとして存在しない。」とは、『シティ・オブ・グラス』(ポール・オースター)の一文。

余談だけどこれはコミック版からの引用。「オブ」はコミック版で「オヴ」は角川文庫版。で、柴田元幸訳は『ガラスの街』とタイトルが変わる。余談終わり。

ミステリー(の多く)は謎を解くために細部が存在していて、筋を追っていけば迷子になることはない。目的がハッキリしていて、最後は必ず結果に結びつく。だからいい。

そういうわけで箸休めに『有栖川有栖本格ミステリ・ライブラリー』。有名ミステリー作家編纂のマニアックなミステリーアンソロジー

『<引き立て役倶楽部>の不快な事件』のネタは、聞くだけ聞いていてすごく好きなトリックだったので、元ネタを読めて良かった。このネタは誰かに言いたくなる。

それと、ガチガチのプロミステリー作家ではない2人の作品、『埋もれた悪意』『逃げる車』の論理性に、本格の良さを見た。