ブルーレイ『東京物語』

ブルーレイ版『東京物語』買う。もうパブリック・ドメインになった作品なので、廉価版DVDも売られているが、今回のブルーレイ版の画質は、4000円近く出しても買うだけの値打ちはある。

恐らく初見でブルーレイ版を見ると、この程度の画質か、と思うかもしれないが、正規の松竹DVD版と比べてもだいぶ良くなっている。

まず画期的なのが、コマによってチラチラ明るさが変わっていた点。これがすごく見づらかったのだけど、ブルーレイ版はそこがゼロ。恐らく今回のリストアはその修復がメインだったのではないだろうか。

それ以外にも、きめ細やかな画質になっているので、着物の柄の細部までよく見えるのは、小津監督のこだわりがより良くわかっていい。

音に関しても、小さいなため息や息づかいまで聞こえる。

そもそも、火事によりマスターのネガが消失してしまったという悲劇に見舞われ、16ミリからソフト化するしかなかった『東京物語』だけど、今回のブルーレイ版が、決定版となるだろう。

追記:
ちまみに初回限定版に特典としてついている「シナリオ写真集」は、ポスターと、シナリオ、それに本編からの写真とスチール写真からなっている。

もしや小津監督が使用したシナリオを写真に写した物が特典に? と思ったけど違った。

ちなみにそれは、『小津安二郎 東京物語』という本に収録されている。この本は、『東京物語』の全カットを写真にしているというもの。古本で4000円出せば買えるので、ファンは必携。

小津安二郎東京物語―リブロ・シネマテーク

小津安二郎東京物語―リブロ・シネマテーク