マック赤坂の映画で涙するとは……


今年1番の映画は『パシフィック・リム』でいいのだけど、裏1位というか、大健闘映画としては『立候補』。

羽柴秀吉外山恒一マック赤坂……選挙で何度も立候補し、供託金300万円を払い続ける泡沫候補たち。そこに焦点を当ててドキュメンタリーというわけで、まあ企画勝ち。

だけど、この映画が単なる企画映画以上の出来になり、ほとんど傑作と言ってもいいほどになった最大の理由は、彼ら泡沫候補の本当の姿をスクリーンに描き出すことに成功したからだ。
話題になった、ふざけた(?)政見放送からはうかがい知れない面があるのだ。

恐らく、この映画を見て、マック赤坂を単なる変人で終わらせる人はいないだろう。いや、確かに変人なんだけど、ここまでできる変人はいない。

それに、職安でマック赤坂の運転手という仕事を見つけた秘書(?)の私生活。どういうバックグラウンドを持った人なのかを知ると、不覚にも涙が出る。まさかマック赤坂の映画で涙するとは。

それに、物語とは変化だ。この映画の中で、変化する人間がいる。その姿にもグッと熱くなる。まるで戦時下のように日の丸が振られている自民党総裁のかたわらで、演説を始めるマック赤坂。そこに被さる自民党支持者からの罵詈雑言。それに対して、ある男が取った行動……

惜しむらくは札幌での公開は終わってしまっていることか。
これからの上映先は石川、長野、そして広島。
http://ritsukouho.com/screen.html