3部作完結

結局、ジョン・ル・カレのスマイリー3部作をすべて読んだ。

きっかけは、『裏切りのサーカス』として映画化された第1作『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』。

映画がたいそう良く出来ていて、これはきっと原作も面白いに違いないと思って読んだ。それについては以前書いた。
http://d.hatena.ne.jp/ys22ys/20130826/1377528542

で、そのまま第2作目『スクールボーイ閣下』を読み進め、どっぷり。まあ、それについても以前書いた。
http://d.hatena.ne.jp/ys22ys/20130919/1379602768

で、いよいよ3部作の最後を飾る『スマイリーと仲間たち』もたまらずに。

タイトルの通り、スマイリーとその仲間たち総出演。だけどこれは、舞台の後のカーテンコール的顔見世ではない。

老諜報員スマイリーが、宿年のライバル・カーラと決着をつけるべく、今までには見せなかった行動力で各地をグイグイ渡り歩く。かつてのなつかしき仲間たちから情報を得て、共に協力をして、最大の難敵へと突き進んでいく。その積み重ね、ストーリーの面白さ。

最後、2人の戦いがどう終わるのか。今までのル・カレ作品にしばしば見られた苦いラストになるのか、それとも、まさかの大団円、あるいは……。

本当に、最後の1行まで味わい尽くせる作品。

ル・カレの作品が日本でイマイチ人気がないのは残念だし(池澤夏樹村上春樹は絶賛なのに)、もっと読まれてほしい。なんとか大賞の作品よりもよっぽど読み応えがあって、一生読んでいける本なのに。

まあでも、人気がない理由もなんとなくわかる。僕も、ハヤカワ文庫の最後の方にあった他の本の紹介ページで、ル・カレの作品とか(まさにスマイリー3部作!)全然興味わいてなかった。とにかくスパイものやポリティカルものへの興味のなさは僕だけじゃないはず。

そういう高い敷居を越えて、本を手に取るために、やっぱり映画化というのは正解だったのだろう。

映画化された『裏切りのサーカス』が好評だったようで、第2弾も予定されているらしい。次は『スマイリーと仲間たち』だ。

期待。

追記:
そういえば、イギリスでTVドラマ化された際も、2作目は飛ばして、1、3作目の映像化だった。その時のスマイリー役は『スターウォーズ』の初代オビワンことアレック・ギネスだった。

↓日本語字幕なし