『クロニクル』


2週間限定で首都圏のみで公開された映画が評判を呼び、今や全国に拡大上映されている。

青春超能力映画『クロニクル』。

謎の物体に触れてしまった高校生3人が、突如として超能力を使えるようになる。サイコキネシス的なことや、あんなことやこんなことまで。

暗い学園生活を送る主人公がいい。まあ、ベタと言えばベタ。女の子からはキモいと言われ、いじめっ子にからかわれ、家庭にも問題があり父は無職で酒乱。

で、超能力を手に入れた主人公は、次第にその力を制御できなくなって……。

この映画の売りはなんと言っても能力を使う時のVFX。かなり力を入れていて、違和感がない。進歩する映画技術をどう使うかという好例だ。

超能力を手に入れるが、自分の力が暴走しはじめ、社会に危害を加えるという筋や、その肥大していく様は大友克洋監督作『AKIRA』のよう。

だから、日本でも出来るはずの映画なのだ。でも技術の使い方が上手くないので駄作を量産することになる。

本当に、日本でも出来るはずの映画なのにと思ってしまった。