2013年ベスト1

2013年が終わり、2014年が始まって。
振り返れば2013年ベスト1、映画は『かぐや姫の物語』!

やっぱり表現のすごさ、感情の伝わり方がケタ違いだった。途中、ストーリー的にダレるところがあったとしても、要所要所の突き抜け方が他の作品より群を抜いていた。

日本アニメーションの到達点だし、この高みまで行けたことへの評価。永遠に残る傑作だと思う。

一方、本については、その年に出たものはあまり読まないので、既刊本を含め、今年読んだ本ベスト1は、ジョン・ル・カレ『スクールボーイ閣下』!

スクールボーイ閣下〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

スクールボーイ閣下〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

今さらな巨匠、その作品だけど、2013年はやはル・カレにハマりだした年として個人的な記憶に残る。

スマイリー3部作から何を選ぼうか悩んだけれども、結局2作目『スクールボーイ閣下』を選んだ。

ハマったきっかけである『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は、実在の事件を元にしたリアリティーと謎解き感、なにより少年とのエピソードが良かった。

3部作最後の『スマイリーと仲間たち』は、顔見世興行で、スマイリーの獅子奮迅ぶりも良かったけれど、やはり3作を通して一番熱中して、一番打ちのめされて、読書の楽しさを存分に味わえたのが『スクールボーイ閣下』だったので、これを1番にした。

ちなみに2013年最後に読んだ本がル・カレの『パーフェクト・スパイ(上)』で、2014年最初の読書がその下巻だし、まだまだル・カレのマイブームは続く。

パーフェクト・スパイ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

パーフェクト・スパイ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

とにかく、映画『裏切りのサーカス』でほんの少しだけ脚光を浴びつつあるジョン・ル・カレだけど、すべての読書好きが読むべき作家だと思う。

日本で認められづらいのは、もともとの読みづらさもあるけど、やはり訳のひどさだと思う。『パーフェクト・スパイ』の読みづらさがまさにそうで、本当に苦労して読んだ。

望むべきは新訳で一気に読みやすくして欲しい。そうして日本で正当に評価して欲しい。

今年2014年も続々、ジョン・ル・カレを読む予定。