今年ル・カレ全作読む!

昨年読み始めたジョン・ル・カレ

古いスパイ小説とあなどるなかれ。ジェームス・ボンド的ドンパチアクションは皆無。ひたすら人間の心の揺れ動きを描くヒューマンドラマだ。

ル・カレと言えば、比喩を多用する独特の文体、執拗なまでに現在と過去を行き来する時制の混在。ある翻訳者があとがきに「拷問的」とまで書いている。

でも、難解な文章を読み砕き、何層にも塗り重ねられた多重構造を噛みしめながら辿り着く圧倒的な到達点は、読後、忘れられない喜びとなる。

80歳を超えて今なお新作を出しているル・カレの作品をもっと読みたいと思い、思い切って全作買った。

全部で23作。うち、日本で未訳なのは1971年の『The Naive and Sentimental Lover』と、2013年の最新作『A Delicate Truth』。

1974年に出て近年映画化もされた代表作『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は訳者の違う2バージョンある。なので、日本語で読めるのは23-2+1ということで、22作品。

ただ品切れ状態になっている本が多く、『高貴なる殺人』は定価320円なのに、今、2000円とかプレミアがついている。

写真解説。左側がすでに読んだ作品たち。これから読むのは15作品(20冊)。

2014年、『誰よりも狙われた男』『我らが背きし者』の2作が相次いで映画化されたし、今年はジョン・ル・カレと共にあるね。