成瀬を見に行きましょうよ
「黒い画集」は、やはり上手い、という感想。構成の橋本と呼ばれるだけあって、ザックリと挟まれる回想(と言っていいのか)の面白さ。
「白と黒」はちょっと途中眠たくなりましたが、いやはや終盤~ラストの驚愕。橋本脚本の凄いところは、全然油断しているところにズドンと打ち込まれるわけです。いや驚いた。
で、月曜日に終わってしまう、特集最後を飾る「首」。年鑑代表シナリオにも選ばれていて、読んだのですが、これを見ずに死ねるかという、そういう感じです。偶然、今月の月刊「ドラマ」で、竹山洋氏が「首」の脚本を何度も書き写して勉強していたということを書いてますが、確かにこの作品は勉強になります。
ところが月曜までは締切地獄で見に行けない。どうすればいいのか。
どうにかして……。
しかし12本を1日2本ずつ、たった6日間しか上映しないとは、どういうことか。見るなということか。
どう考えても、その期間、他のスクリーンにかかっている映画たちよりも、面白い作品のはずなのに。
今回は、小津、野村は言わずもがなだけど、ぜひ成瀬を見てほしい。
成瀬はすごい。なぜだかわからないが、面白い。カメラは常に固定で、登場人物に極端な感情の起伏があるわけじゃないし、ラストは、あれ?終わったんだ、みたいな作品が、とても面白いのだから不思議。
とにかくみんな、成瀬を見に行きましょうよ。