アディオス、フェアウェル、サヨナラ

今日は滅茶苦茶くたびれた。

いろいろ終わって、電車で帰ろうと札幌駅。
ホームに並ぶ人たち。

と、一人の男がフラフラしている。
酔っぱらいではなく痴漢でもない。

どうも人の足下やホームの下を、ウロウロしながら見ている。

そう、私服警官さんです。
(たぶん)

面白そうなのでずっと見てると、
自動販売機の陰や、ゴミ箱のまわりを確認して歩いている。

電車が来る。
皆、乗り込む。僕も。

電車が来たのに乗らない。やはり私服さん。
と思ったら、その私服さんに、似たような格好の男が近づいて話している。同じように中年で、浅黒く、カバンを持たずに(両手を空けるためか?)、帽子を被っている。するとまた、その2人に歩み寄る男。これで3人だ。

電車が動き出す。

いるわいるわ。このホームだけで10人以上。こぞってホームの下を懐中電灯で照らしたり、何やら話し合ったり。

並んでいるときは気づかなかったけど、あの中にこんなにいたんだと。

で、こっからはシナリオ的な発想で……



いま走っているこの電車の中にも私服さんはいるのだろうか。

もしも全員が私服だったら面白い。

僕だけ一般人。

犯人は僕か?

さらにヒネって……

実は僕が私服警官だった、というオチ。

一人称で進めていって、テロのいち被害者(あるいは犯人)の目線かと思いきや実は私服警官で、一般市民の中に紛れていて……

で、事件に出くわす。

もしかしたら犯人グループと対面するかもしれない。大勢の一般市民たちと共に。でも、自分が私服だとは言わない。ナイショのまま進んでいき……

もしかしたらこの中に私服がいる、とバレるかもしれない。だけど誰かはわからない。バレたら命はない。徐々に私服探しの輪が狭まっていき……

うーん、なんかありそうだね。もうすでに。