むかしお世話になった人が亡くなった。
今日がそのお通夜。

天気が悪い。締切という名の雨が降る。
僕は不義理で家にいる。

歳を取るということはどういうことか。
冠婚葬祭がとても増える。

それだけ多くの人とすれ違ってきたということか。

ご冥福をお祈りする、という言葉がある。
僕もご冥福をお祈りしようと思ったが、それがいったいどういうことなのか、
何をすることなのか、実は知らない。

当たり前のように使ってしまった言葉に、効力はあるのか。

ご冥福をお祈りします、と、意味も知らずに使った時、
僕はご冥福をお祈りしてることになるのだろうか。

だから今日、この夜は、亡くなったその人のことを考えるとことにする。
つかの間、出会って、別れて、その間にしていただいたこと。その人の寛容さと慈悲について。