劇的瞬間について4時半

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午後、お芝居を見に行く。
前回のドラマ「桃山おにぎり店」に主演した岩田君率いる劇団の。

今回のドラマ「アキの家族」に出演している役者さんたちも多数出演していた。

笑いあり涙ありのお芝居で、よく言えば間口が広く、悪く言えば少しのっぺりとした内容。
突き刺さる鋭利な感じではなく、まあ、子供からお年寄りまで楽しめる、そういう舞台。

ただ、つかの間挿入される回想シーンがわりと良くて、
そこが劇的瞬間だったなあ、と思う。

夜、映画を見る。「ラブリー・ボーン」。
ピーター・ジャクソンにしては、ちょっと退屈。
あの世のシーンがことごとく安っぽいのはなぜだろう。

現実シーンは面白いのに、残念。
ただ、ラストの一言、あれがとてもいい。

きっと原作もその言葉で締められているに違いない。
この言葉を言いたいがための映画なんだろうなあと思う。

だからそこが劇的瞬間。

劇的、というのは演劇的という意味ではなく、
やっぱり何かが積み重なっていって、到達した地点を言うんだろうと思う。
何かになった瞬間。

それがないと、お芝居でも映画でも、作る意味がない。
それを作るために、やっているんだろうとと思う。

よく、映画と比較して、テレビドラマは安っぽいとかつまらないとか言われるのは、
そこなんだろうと思う。あるいは、「テレビっぽい映画」と言われるものも。

どれだけ人気のあるタレントやアイドルが出てても、出てるだけじゃ劇的瞬間にはならないし、
今風の題材をこれ見よがしに取り上げても、やはりそうなんだろう。

本当に志のあるテレビドラマには劇的瞬間がいくつもある。
倉本作品をみればわかる。

僕も、テレビドラマで劇的瞬間を作りたい。
今回のドラマもそうなっていますように。


写真は4時半、一緒にお芝居を見に行った方たちと喫茶店で。