『物語の作り方』
- 作者: G.ガルシア=マルケス,木村栄一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/02/18
- メディア: 単行本
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彼がシナリオの講師をやった時の、白熱教室ぶりがあらわになった『物語の作り方』。
受講生の考えたストーリーをみんなで議論しながら作っていくのだけど、ガルシア=マルケスの発言が群を抜いて素晴らしい。
けっこう読み応えがあって玄人向きだけど、ストーリーを学びたい人にオススメ。
ああ、磔になるんだ。それでいいんだよ。ドラマティックな展開というのは三十六通りしかない。これはそのうちのひとつだ。
自分をコントロールしないといけない。わたしの場合、目が覚めると、真っ先に自分が誰なのかを一生懸命思い出すんだ。で、自分が死すべき運命にあるごく普通の人間だということに気がつく。そこで、完全に目が覚めるんだ。
フラッシュバックを使うというのは、ボクシングでいえばタオルを投げ入れるようなもので、想像力の敗北を認めることだ。
ノーベル文学賞の受賞を告げられた時、「へえー、うまく引っかかったんだな、あのお話を信じ込んだんだ」と真っ先に考えたんだ。自分の仕事に不安を感じるのは恐ろしいことだけど、一方で何か価値のあることをしようとすれば、どこかにそういう気持ちがなくてはならないんだ。
わたしは決して別れの言葉を口にしないんだ。別れの言葉を口にすると、二度と戻ってこられないからね。