怖い短編集その10

トンネルに消えた女の怖い話

トンネルに消えた女の怖い話

プリーストリーの怖い短編集、第3弾は『トンネルに消えた女の怖い話』。
今回は、列車で居合わせた謎の女が怖い話をし始める。

主人公をめぐる全体の構成に関しては前2作に軍配が上がるけど、
1話ごとの面白さはこの本が一番。

2話目(実質的な1話目)『温室』がいきなりすごい。怖い。
6話目『猫背岩』なんかは何回読んでも面白い。
7話目『シスター・ヴェロニカ』は、近年最高の怖い短編集『犯罪』を連想させる、さめた狂気。

犯罪

犯罪

『モンタギューおじさん〜』以降、1話ごとのページ数が増しているのが、難点といえば難点なんだけど、それでも面白いのだから仕方ない。
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