怖い短編集その12
- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: 文庫
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北村薫編の『こわい部屋 謎のギャラリー』。
18人の作者による、22本の怖い話。
まず最初は南伸坊のマンガが3本。
『チャイナファンタジー』という題で、いちがいに怖いとは言えないがなんとなく奇妙な、余韻の残る話。
続いてブッツァーティ『七階』。
僕は知らない作品だったけど、うーんこれが一番の収穫。
階が下に行くほど重病患者の病棟になるという病院。主人公ははじめ、7階にいるのだけど、何かと理由をつけて、下の階下の階へと病室を移動させられてしまう……。
うーん、いい設定。
他にも小熊秀夫のファンタジックな話や、9歳の子どもが書いたホラーなど、バラエティがある。
だけどなんとこの本の特色は、長編として売られてる本を、まるまる一冊収めてしまっていること。
それが乙一のデビュー作『夏と花火と私の死体』(乙一はこれを書いた時16歳)。
- 作者: 乙一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/05/01
- メディア: 文庫
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この『こわい部屋』(998円)を買った方が、差額558円で、
他にも21本怖い話が読めるということで、ずいぶんお得だった。