怖い短編集その19

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)

スティーヴン・キングの短編集といえばこれ『ゴールデンボーイ』。
恐怖の四季として春夏秋冬のホラー4編を集めたものの、これは春夏編。

秋冬編は有名な『スタンド・バイ・ミー』に収められている。

さて『ゴールデンボーイ』。表題作は夏編なんだけど、
絶対、春編の『刑務所のリタ・ヘイワース』を改題して、タイトルにした方が売れたはず。

刑務所のリタ・ヘイワース』は後に『ショーシャンク空に』として映画化された。まあだから、一時期この本は『ゴールデンボーイ』というタイトルなのに『刑務所の〜』が表紙だった。映画で有名な主人公が雨を体に浴びるシーン。

ショーシャンクの空に [DVD]

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『刑務所の〜』と『ショーシャンク』の大きな違いは、
まず刑務所内で主人公の相棒となるレッドが、映画はモーガン・フリーマンが演じた黒人なのだけど、原作は白人だ。映画から入った人はこれでだいぶ違和感がある。

それからラストシーン。最後がどこで終わってるかが違うのだけど、
これはもう観ての(読んでの)お楽しみ。

原作小説は小説らしい終わり方だし、映画は映画らしい。
小説と映画の違いについて、これを題材にして面白いくらい。

ちなみに表題作『ゴールデンボーイ』も映画化されたのだけど、
こちらは、良く言って佳作どまり。監督は『ユージュアル・サスペクツ』『X-MEN』のブライン・シンガー。彼もキングを映画化して破れたメンバーの一人だ。

古今、様々な監督が挑戦して破れたキング映画。
次回はまあ、今までどんな監督がどんな原作に挑戦したかを、あげてみようかな。

http://d.hatena.ne.jp/ys22ys/20130125/1359047284