S・キング原作映画と監督たちの戦い

なんといっても過去多くの名匠が挑戦したスティーヴン・キングの映画化。
以下、ざざっとあげてみると。

『ミッション・インポッシブル』のブライアン・デ・パルマが『キャリー』(1976)
2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックが『シャイニング』(1980)
遊星からの物体X』のジョン・カーペンターが『クリスティーン』(1983)
裸のランチ』のデヴィッド・クローネンバーグが『デッドゾーン』(1983)
『ナイルの宝石』のルイス・ティーグが『クジョー』(1983)
コマンドー』のマーク・L・レスターが『炎の少女チャーリー』(『ファイアスターター』/1984)
ポール・マイケル・グレイザーが『バトル・ランナー』(1987)
ア・フュー・グッドメン』のロブ・ライナーが『スタンド・バイ・ミー』(1986)、『ミザリー』(1990)
メアリー・ランバートが『ペット・セメタリー』(1989)
ブレット・レナードが『バーチャルウォーズ』(1992)
『ゾンビ』のジョージ・A・ロメロが『ダークハーフ(1993)
フランク・ダラボンが『ショーシャンクの空に』(1994)、『グリーン・マイル』(1999)、『ミスト』(2007)
『Ray』のテイラー・ハックフォードが『黙秘』(『ドロレス・クレイボーン』/1995)
悪魔のいけにえ』のトビー・フーパーが『マングラー』(1995)
『チャイルドプレイ』のトム・ホランドが『痩せゆく男』(1996)
チャールトン・ヘストンの息子が『ニードフル・シングス』(1996)
ユージュアル・サスペクツ』のブライアン・シンガーが『ゴールデン・ボーイ』(1998)
『シャイン』のスコット・ヒックスが『アトランティスのこころ』(2001)
『ワイアット・アープ』のローレンス・カスダンが『ドリーム・キャッチャー』(2003)
ジュラシック・パーク』『スパイダーマン』の脚本家デヴィッド・コープが『シークレットウインドウ』(『秘密の窓、秘密の庭』/2004)
『ザ・ライト -エクソシストの真実-』のミカエル・ハフストロームが『1408号室』(2007)
ボーイズ・ドント・クライ』のキンバリー・ピアースが『キャリー』(2013)……

なんかもう、そうそうたるメンバー。

やっぱりこう見ると、ただでさえ傑作を撮るのが難しいのに、『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』のロブ・ライナー、『ショーシャンクの空に』『グリーン・マイル』『ミスト』のフランク・ダラボンは複数本だからね。それもはずれなし。

でも僕は意外と『シャイニング』が好きで、それには理由がある。

最初、原作を読んだあとキューブリック映画を観て幻滅し、そのあとキングが直々に制作したTV版もさらに幻滅した。

だけどしばらくして、自分が文章を書いて生活するようになってから、
あのキューブリック版『シャイニング』を観直してゾッとした。
あれは創作に携わるすべての人間の心の中にある暗黒を描いている。

だからジャック・ニコルソン演じる主人公の側に立って観ると、
実際自分もグイグイ悪に引き込まれていくのがわかる。

それは全然原作に描かれていたことと違うのだけど、物語の脚色という面においては、あれくらい大胆に自分のやりたいように解釈して作り上げるのはハッキリ言ってすごい。