S・キング書き始めの1行(怖い短編集その20)
- 作者: スティーヴン・キング,Stephen King,山田順子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/03/25
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そしてこの『スタンド・バイ・ミー』が秋冬編。短編集というより中編集だそうだ(キングの相変わらず面白い序文にそう書いてある)。
さてなんといってもこの本は『スタンド・バイ・ミー』。
映画化されて原作よりも有名になってしまった。
原作も映画も、少年時代の記憶を呼び起こす秀作だけど、
実はこの『スタンド・バイ・ミー』、最初の1行目がいい。
「何にもまして重要だという物事は、何にもまして口に出してはいいにくいものだ。」
うん、なかなかかっこいい。
そう思ったらスティーヴン・キングの書き出しは、どれもいいことに気がついた。試しに手近にある本を開いてみると……
「鼻持ちならん気取り屋のげす野郎め、というのがジャック・トランスのまず感じたことだった。」(『シャイニング』)
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/08/05
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「言葉に尽くせぬこの恐怖、あれから二八年つきまとっているこの恐怖の――終息の時があるにしてもだ――そもそもの発端は、私の知るかぎり、大雨で増水した道路の側溝を流れていった新聞紙の小舟だった。」(『IT』)
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1994/12/01
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「人生は――ただの肉体的な存在ではなく、ほんとうの意味での人生は――さまざまなときにはじまる。」(『ダーク・ハーフ』)
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,村松潔
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1995/10/07
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「釘が一本足りなくて、王国が滅びる――教義問答が言っていることは、せんじつめればつまりそれに尽きる」(『トミー・ノッカーズ』)
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,吉野美恵子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/05/09
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「なにいってんだい、アンディ・ビゼット。いま説明した権利のこと、わかった、だって? ふん、なんとアホらしいことをいって。」(『ドロレス・クレイボーン』)
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,矢野浩三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/12/08
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なかでも僕が一番好きなのは、本を見なくても暗唱できる。
「黒衣の男は飄然と砂漠の彼方に立ち去った。ガンスリンガーはその後を追った。」(『ガンスリンガー』)
『ガンスリンガー』はキングの大作、『暗黒の塔』シリーズの第1巻。
上の文章は角川書店の旧訳版。訳者は池央耿。ちなみに現在の新潮社版は、
「黒衣の男は砂漠の彼方へ逃げ去り、そのあとをガンスリンガーが追っていた。」
うーん、新潮社版より、旧角川版の方がかっこいい。
- 作者: スティーヴンキング,西口司郎,Stephen King,池央耿
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/09/22
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