大きな役者

仲代達矢が語る 日本映画黄金時代 (PHP新書)

仲代達矢が語る 日本映画黄金時代 (PHP新書)

日本映画の創世期から隆盛期にかけての話とかを、わりと好きで読む。
この『仲代達矢が語る日本映画の黄金時代』も楽しく読めた。

なにせ仲代達矢黒澤明成瀬巳喜男市川崑小林正樹岡本喜八勅使河原宏山本薩夫五社英雄……そうそうたる監督の作品に出続けた。

当時のエピソードと映画界の有様が面白い。

それにしても最後の方は今の映画を嘆くばかり。
映画、スタジオ、そして役者。

大きな役者がいなくなったというのは、どこでも聞かれる話。
この本には三船敏郎丹波哲朗勝新太郎、そして役者としての三島由紀夫のことも語られている(当時から、切腹するためにボディービルをしてると言っていたらしい。誰も信じてなかったけど)。

まあ確かに昔の役者は豪放で、わりと好き勝手やっていた。

そう考えると市川海老蔵なんかは事件を起こしたけど微笑ましいくらいで、あるいは大きな役者になりそうな気もする。いつになるかわからないけど、市川團十郎になる人間なのだし。