英国的かっこよさ

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ (ハヤカワ文庫NV)

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ (ハヤカワ文庫NV)

ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を読んで以来、スマイリー3部作の残り2作を読みたいなあと、フツフツ思っている。

何がいいんだろう。スパイ小説は別に好きじゃないので、ジョン・ル・カレの英国的要素に惹かれてるんじゃなかろうか。

イギリス人(の男)が持つ伝統的男性性。悪く言えば堅苦しさなのだけど、背景にある毅然とした強度みたいなものがいい。

それに、どことない(無邪気な)子供っぽさもあるかもしれない。

例えば、『ハマースミスのうじ虫』という(すごいタイトルだけど)僕の好きな本がある。

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)

ジョン・ル・カレは元MI6だけど、こちらの作者ウィリアム・モールも元MI5だった。
『ハマースミス〜』の煽り文句はすごい。

全編に漲る緊迫感と深い余韻で名を馳せた、伝説の逸品。

ミステリ的面白さを越えた何か。

イギリスの一部の作家に時おり見られる誇り高さというか、凜々しい男の子っぽさ

しかしこれは決して過大評価じゃない。
ラストまで読んだ時の奇妙な感覚は、ちょっと他では味わえない。

おお、と思う絶対。