トゥーサン講演会が

マリーについての本当の話

久しぶりの邦訳『マリーについての本当の話』が11月19日に出る、ジャン＝フィリップ・トゥーサン。（追記：発売日が19日⇒28日に変更になってます）

それに合わせてだろう、11月30日に講演会（無料！）があるようだ。
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/conference20131130/

追記：29日にも東大で講演会があるそうです。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/event/3288.html

あと辻仁成氏のtwitterで、12月6日に龍谷大でトゥーサンと対談する、と書かれているので、それがアラン・トゥーサンとか別のトゥーサン氏でなければ、今度の来日期間はちょっとだけあるようだ。

トゥーサンの日本訪問と言えば、日本でのことも含め、旅のあれこれを綴った『セルフポートレイト』にその顛末が書かれていて、トゥーサンらしくていい本だ。その、ハイライトの一つ、奈良での一番面を……

正直言って、ご本を読んだ時には、もっと違う人かと思っていましたと彼女が小声で言った（ぼくは何かまずいことを口にしたのだろうか）。ほう、そうですか？　とぼくは好奇心満々で、鹿の首を優しく撫でてやりながら言った。そうなんです、と彼女、もっと小柄で、知的で、もっと青い人かと思っていました。もっと小柄で青い人ですか！　とぼくは言って、鹿の皮膚を掴み、こっそりつねって苛立ちを抑えた。ある種の成功は、ときとしていかに手ひどい誤解の上に築かれるものなのか。（ジャン＝フィリップ・トゥーサン『セルフポートレイト　異国にて』）

セルフポートレート 異国にて