ガルシア=マルケス別れの言葉
- 作者: G.ガルシア=マルケス,木村栄一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/02/18
- メディア: 単行本
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以前、彼の本について書いた。若き脚本家たちと、ストーリーを作っていく素晴らしい本について。
http://d.hatena.ne.jp/ys22ys/20130101/1356978298
この本の最後で、ガルシア=マルケスは言う。
わたしは決して別れの言葉を口にしないんだ。別れの言葉を口にすると、二度と戻ってこられないからね。
今となっては悲しい言葉だけど、このあとこう続く。
君たちがこのシナリオ教室でどういう思いを抱いたかは知らないけど、わたしは楽しませてもらったよ。仕事はきつかったけど、それが大切なんだよ。この幸せなマニアにとりつかれているわれわれは、立ち止まってはならないんだ。立ち止まったとたんに、悪魔にさらわれてしまう。人生というのはレモンみたいなもので、絞りかすまでいけばおしまいだ。しかし、君たちの人生はまだはじまったばかりだから、その点は心配しなくていい。
素晴らしい本はいくつもあるけど、それ以前・それ以後と区別される本は少ない。例えばカフカ以前・以後。そして、ガルシア・マルケス以前、以後。
僕たちは以後を生き、彼の本を読むことができて、幸せだった。