乙一はやっぱり

Arknoah 1 僕のつくった怪物

Arknoah 1 僕のつくった怪物

乙一はやはり短編の作家なのだと思う。

結局彼の面白さは切れ味であって、何かを持続させ積み上げていく長編には本来向かないのだろう(別名義で書いていた本は知らないけども)。

乙一のいいところは、読みやすい文章でサクサク進んで行くと、知らない間に物語のワナにはまっている。それが心地よい。はずだった。

だからサッと描いて、サッと引き上げる短編がベストなんだろう。

乙一史上最も長い作品という『僕のつくった怪物1』は、自らの良い部分を殺してしまったという印象。なんでこんなに枚数を費やしたんだろう?