オススメ本硬派編

僕は大好きなんだけど、学校の新1年生にいきなり読ませると困惑するかもしれないし、かえって読書嫌いにさせるかもしれないので、あえてオススメしなかった噛み応えのある小説たち↓

『甘美なる来世へ』(T・R・ピアソン
……冒頭から、29行1238文字、テンもマルもなく、延々続く文章(→http://d.hatena.ne.jp/leibniz/20081121/1227460174)。やたら長く区切れ目のない文体なのに、内容はとにかく笑えるおかしな小説。

甘美なる来世へ

甘美なる来世へ

『赤い右手』(J・T・ロジャース)
……異常なミステリーとして有名な作品。高熱にうなされたような文章、錯綜する構成、物語のルールを超越したある小道具など、とにかく怪作。文庫版が出たけど、単行本の方のあとがきは、入り組んだ構成をちゃんと説明してくれたりして、丁寧で読み応えがある。
赤い右手 (創元推理文庫)

赤い右手 (創元推理文庫)

赤い右手 世界探偵小説全集(24)

赤い右手 世界探偵小説全集(24)

百年の孤独』(G・ガルシア=マルケス
……ご存じ。
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

『別荘』(ホセ・ドノソ)
……やたら多い登場人物にひるむことなく立ち向かえば、マジックリアリズムの面白さが存分に味わえる大作。いつの間にか増刷もされてるし、日本の海外文学読みの意地を見せたね。
別荘 (ロス・クラシコス)

別荘 (ロス・クラシコス)

インディアナインディアナ』(レアード・ハント
……人と違う主人公が、その、美しく切ない人生を語る。様々なエピソードがおりおりにリンクしていき、ラストの繋がりなんか、呆然とするばかり。この作者の本、もっと翻訳されないかな。
インディアナ、インディアナ

インディアナ、インディアナ

ソラリス』(スタニスワフ・レム
……惑星全体を覆う超強大な生命体が発見されたが、あらゆるコンタクトを試みても、生命体からの反応は無い。人類と地球外生命体の、絶望的で、希望的で、なおかつ愛のある物語。ハヤカワから文庫版が出たのでお求めやすくなりました。『空腹の技法』(ポール・オースター
……オースターのエッセイ集。小説デビュー前の文章が多くあって、若き日のキレキレなオースターが味わえる。とにかく硬質、先鋭。現在品切れ中で増刷もされないだろうから、中古で買うしかない。文庫版はプレミアついてるけど、単行本はわりと安く買える。
空腹の技法 (新潮文庫)

空腹の技法 (新潮文庫)

空腹の技法

空腹の技法