日本人の都市伝説映画

なんか興味を惹く映画があった。菊地凛子主演の外国映画『クミコ、ザ・トレジャーハンター』。

アメリカで有名な話を題材にしたそうだ。コニシタカコさんという日本人女性が、映画『ファーゴ』内で大金が埋められたシーンを、本当だと勘違いして(映画の冒頭「これは実話です」というテロップが出る)、ファーゴを目指すが、旅半ばにして凍死してしまった、というもの。

で、『クミコ、ザ・トレジャーハンター』は、その話を映画化したものなんだけど、それ以前に、この事件が有名になった後、ジャーナリストが調べた結果、タカコさんは、ファーゴの大金を探そうとしてたわけじゃなく、恋人と破局したあと、自殺したのだった。

なのになぜ、「映画を真に受けて大金を探そうとして凍死してしまった日本人」という風に都市伝説化してしまったのか。死の6日前にタカコさんを保護した警官が、彼女とちゃんと意思疎通ができなかった(タカコさんは英語でうまくしゃべれなかった)。で、タカコさんは手書きの地図を見せながら、「ファーゴ」という言葉を何度も発したため、警官は、ファーゴの大金を探しに来たんだと勘違いしたのだ。

そういう風にして都市伝説が生まれ、映画化までされたというわけ。でも、映画を作った監督は、その事実も知った上で、あえて都市伝説側のストーリーを映画化したらしい。

なんというか、そういう一連の流れもまた、映画的だなと思う。
↓予告編(アメリカではソフト化されてるけど、日本公開の情報は全然ない)