トイレブック

最近調子が上向いてきたので何気なく更新。


前にも書いたかもしれないが、トイレブックというのがある。
あるというか、僕が勝手に名付けたのだけれども。

トイレに入って読む本、すなわちそれがトイレブック。

1分か2分か、そのわずかな間、何をするでもないので(いや、やるべきことは確かにあるのだが)、その時間、本を読んでいる。

お気に入りはポール・オースターの初期評論集「空腹の技法」だった。これがいい具合に本当にトイレブック。一つずつは短くてすぐ読み終わるが、歯ごたえがある。ただ暇つぶしに読み流しただけじゃない、満足感が残る。

「空腹の技法」はトイレで何度も読み返した。

その後、ミステリーの短編集なんかがトイレブックだった。ハヤカワ文庫の「ミニ・ミステリー100」は昔3分冊だったのに、今は文庫で1冊にまとまっていて、お買い得だしトイレブックとしての価値も高い。

今は川端康成の「掌(てのひら)の小説」だ。これも何度も読み直して、再びトイレブックとして戻ってきた。川端康成は知る人ぞ知る、短編作家。特に100編以上の短編小説が読めるこの本は、質も量もまったく、トイレブックのために生まれてきたようなもの……なわけはないか。

そろそろ「掌の小説」も読み終わりそうなので、何かお勧めのトイレブックがあれば、教えてほしい。