演劇フェス2日目

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※どこかを見ているピヨと、最近の収穫物。

今日も昨日に続き、教文演劇フェスティバル・短編演劇祭。

2日目、第1組は、くしろゴールデンシアターきらり座。
平均年齢60歳以上の劇団。内容は、過去と現代の家庭の対比の物語。

ものすごく当たり前というかまあ、昔の人は今をこう思うよね的な内容。
でもやっぱり演じ手の人となりって、舞台からにじみ出る。

いや、どんな人たちか詳しくは知らないけれど、ただお年を召した方ということははっきりわかる。
そういう人が一生懸命、セリフを言い、時には忘れ、舞台を作ることにちょっと感動。

途中、舞台袖から関係者らしき人の声が漏れ聞こえる。なんの声だろうと思っていたら、
それは、セリフを上手く思い出せずつっかえつっかえしゃべっているおじいちゃんへのプロンプなのだ。

それでもやっぱり詰まってしまい、思わず舞台上から「すみません、緊張してるのでセリフを忘れて……」
みたいに言ってしまう、まあそれもいいじゃないと思う。

2組目は演劇公社ライトマン
イトマンは2次の脚本審査ではすごく評価が高かった。
かなり早い段階で通過が決まったように記憶してる。

が、今日の観客投票ではまさかの最下位。しかも9票……。

脚本は本当に洗練されていて、上手いし書き慣れてる感もあるし、何を表現したいのかも良くわかる。
でも、舞台ではそれが上手く機能しない。役者の責任は重い。本を体現できてない。

それでも前半は舞台空間を構築できてたけど、後半に崩れはじめ、まあ、その……ということだった。

イトマンは札幌の劇団の中でも勤勉で良質の舞台を作り続けている貴重な存在なので、
こういうところが大化けして札幌演劇界を面白くしてほしいなあと思う。

3組目はTBGS。
2次審査を通過した中で、一番見たかった劇団。
10秒ごとに人生のワンカットを断片的に見せていき、一人の一生を描くという挑戦的な作品。

果たして舞台ではどうなるのかと、不安もあったけど、
良くできていた。舞台上に作り上げられていた。

僕は今日、ここに一票を投じた。
他にはもっと有名劇団が参加してる中、意外やこういうところが意欲作を発表して、
優勝したら面白いと思ったのだけど、結果は、本日第2位。

今日の1位は4組目のイレブンナイン。
お上手。演出も役者も、今回参加した8組の中で一番。
多くの劇団の役者が、滑舌や声量で何を言っているのかわからない中、
ここはほとんどの役者がそういう最低限をクリアしていて、見るに耐えるもの。

でも、脚本の評価としては、僕は高くなくて、
殺されても死なない家族の話なのだから、どうせなら、本当に死んだらいいと思った。
死なない家族は死に対して無関心、ほとんどどうでもいい。
そういう人たちが、何かで本当に死んでしまった時に、死に対してどういう反応をするのか。

それでも無関心なのか、本当はすごく死に対して(生に対して)誰よりも重要なことだと思っていたのか。

途中、長々とセリフで、どうして人間を殺しちゃいけいのか、みたいなことを言い続ける。
言わないで、行動で見せるしかないじゃないか。あのセリフのところが一番面白くなかった。
説教はいらない。何も届かない。
内容で、伝えなければ意味がない。

でも170票以上を獲得して、ここは一位。過半数が票を入れたんだね。
すごい、というか、いろんな意味ですごい。

昨日のYHSもそうだったけど、客が何を見に来ているのか、
それがわかる演劇フェスティバルだった。