レイヤー化する世界
レイヤー化する世界 テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/06/05
- メディア: 新書
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佐々木氏を初めて知ったのは、「博士の異常な鼎談」という番組だった。そこで、数々の事象をシャープに切って語る力量に驚いた(3年前の番組なので、キンドルが米版しかなかったりと、隔世の感はあるけれど)。
ちなみにtwitterでも積極的に情報を発信していて、毎朝9時台にまとめてツイートされる最近興味深いことのリンクはけっこう参考になるし、面白い。
https://twitter.com/sasakitoshinao
さて本書『レイヤー化する世界』は、まず過去から学ぶ。いわゆる<帝国>についてだ。帝国と聞くとスターウォーズの悪い軍隊みたいな印象受けるが、この本で語られる<帝国>は、モンゴル帝国やオスマントルコなど、様々な人種が国境を意識することなく入り交じった、多様な社会だ。
一方、現代は、近代に成立した西欧型国民国家と民主主義についてだ。それが今、限界に来ているという。
佐々木氏が本書で語る未来は、かつて多彩な文化が花開いた<帝国>方の未来だ。それが実現可能となったのは、インターネットによるボーダレスな社会が訪れたからだ。そこで作られた「場」が1人1人の活躍の場になる……という。
国民国家がいつか限界に来るのはよくわかる。だけど果たして民主主義以上の制度があるのだろうか。民主主義は僕らの最終形態なのか。最も完成された制度なのか。かつてアナーキスト外山恒一は政見放送でこう言った。
「選挙で何かが変わるなんて大間違いだ!(中略)多数決で決めれば多数派が勝つに決まってるじゃないか!」
多様化する社会において多数決に何の意味があるのか。多様な民意をくみ取り、民主主義以上に良い制度は存在するのか。
次の時代に訪れる変化とは。