怖い短編集その16

夕暮れをすぎて (文春文庫)

夕暮れをすぎて (文春文庫)

ホラーの帝王スティーヴン・キングの短編集『夕暮れをすぎて』。

原書は『Just After Sunset』という1冊の本だが、
日本ではこの本と『夜がはじまるとき』という2冊に分けて刊行。

すべての収録作が怖い話というわけではなく、不思議系な話も多い。
ただしこの本の2話目『ジンジャーブレッド・ガール』はキングの本領発揮。とにかく迫り来る恐怖との戦い。

赤ちゃんを亡くした母親が、何かに憑かれたようにジョギングを始める。
夫からも逃げ、フロリダに行き、海岸をまたジョギングし始める。
別荘が並ぶその土地で、彼女が偶然見てしまったもの、それは……
そして彼女は海岸沿いを走って逃げる。後ろからは恐ろしい追っ手が迫り。

なんともキングらしい、圧倒的な筆力を楽しめる話。
キングの短編の中でもかなり好きな作品だ。

2冊目の『夜がはじまるとき』にも、ものすごくオススメしたい、ホラー史に残る話があるのだけど、それはまた次回。

夜がはじまるとき (文春文庫)

夜がはじまるとき (文春文庫)